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3つの恋のお題 その3【BA】

2011.08.15 *Mon
ブラアロへの3つの恋のお題

眠りにつく前に/ただ傍に居てくれたらそれだけで良かった/来ないならこっちから


3.『来ないならこっちから』

シンの来襲からしばらく経ったある日、アーロンは上司から縁談の話を持ち掛けられた。以前なら無下に断っていたはずの話をしばらく考えさせてほしいと答えたのは、ブラスカへの想いを断ち切るのにはそれくらいするべきなのかもしれないと考えたからだ。どうせ縁談相手が自分を好きなわけではないのだから、相手に悪いなどとも思わずに済む。消し去る事が難しい気持ちを隔離するにはそうせざるを得ない環境を作るのが手っ取り早いように思われた。
夜の見張りがある日以外、アーロンはブラスカの家へ泊まるようになった。ブラスカの娘ユウナは親戚に預けられていたままで、一人でいると眠ることすらしようとしないブラスカが心配だった。
家に入るとブラスカは夕食の支度をしていた。
「おかえりアーロン」
もう少しで出来るからゆっくりしていて。鼻歌を歌いながらキッチンへ戻っていくブラスカはひどく機嫌が良さそうで、違和感を覚える。
それからもこの日のブラスカは何かが違った。最近ずっと少量口にしただけで残していた食事も全て平らげ、食事中も饒舌に話し楽しげに笑い、一見して前のブラスカに戻ったかのように見えることが逆に胸騒ぎを感じさせた。
食事を終え一息ついた所で、笑みを浮かべたまま楽しそうにブラスカは言った。召喚士になろうと思う、と。
まるで、旅行に行こうと思う、とでもいうような気軽さで告げられた決意にアーロンは言葉を失った。
「私ならいなくなっても悲しむ人は少ないし、それで皆が救われるならいいことだろ?」
エボンの教えに反し機械を操ることで他の種族から忌み嫌われているアルベド族から妻を迎えた為に、ブラスカは周囲から変わり者だと蔑視されていた。
「なぜ…」
なぜあなたじゃなきゃいけないのですか。あなたを蔑むような周囲の者の為になぜあなたが召喚士になる必要があるんですか。
アーロンにとってブラスカが救おうとしている全てのスピラの民よりもブラスカ一人の方が大事だった。
召喚士になるということはすなわち、自らの命を捨てる事に等しい。シンを討伐出来る召喚士はまずいない。討伐出来たとして帰らぬ人になるばかりか、それ以外のほとんどの召喚士は目的地に辿り着けずに旅の途中で命を落とす。
生きて帰るのは目的を諦めた者だけで、彼らは逃げ出した者として一生汚名を着せられる。そしてブラスカが旅に出たならば、絶対に途中で諦めるような人間ではないこともアーロンはよくわかっていた。
「皆が笑える世界に、などというのは二番目の理由だよ。一番の理由は、私怨だ」
ユウナを残していくのは辛いが、私はもう愛する者を失うのもごめんだからね。私がシンを倒すことで、同時にユウナが安心して暮らせる世界を遺してやれる。
目眩がする。シンを討伐しようなどと思うことはどれだけ無謀なことか誰もが知っている。召喚士になること自体がなろうと思って出来ることではない。召喚士になる者はそれでもなお、スピラを救うという崇高な信念を持って立ち向かうというのに。
ブラスカは私怨だと言い切った。妻の仇を討つと言っているのだ。既に亡くなったただ一人の為だけに命をかけると言っている。それだけブラスカが彼女を愛していたのだと、否応なしに思い知らされる。
「ですが…!」
言いたいことは山ほどあった。あなたを失いたくない。ユウナも悲しみます、俺だって嫌だ。あなたが行かずとも召喚士は他にいます。あなた一人が旅に出てどうなるというんですか。
その言葉のどれもがブラスカを止められないことがわかっていた。それでも止めなければならないと頭では思うのに、アーロンの口は次の言葉を吐き出せずに固まってしまう。
「もう決めたんだ」
ブラスカ様。なんでそんな顔で笑うんですか。なんで。
「嫌です…」
そんなことしか言えない自分が情けなくて、止められない自分に腹が立って、目頭が熱くなる。
「決めたんだ」
すまない。駄々をこねる子供をあやすような柔らかい声音。自分よりも上背のある頭を撫でる手。
幼い日を思い出す。ありがとう、アーロン。えらいね、アーロン。そう言って頭を撫でてくれるこの手が好きだった。この手が俺を生かしてくれた。
「…俺がガードになります。絶対にあなたを死なせたりしない」
止められないのなら、残された道はひとつ。今度はこの手でブラスカを守るのみ。
「縁談があるんだろう?出世出来るチャンスなんじゃないのかい?」
「そんなものはどうだっていい…!俺を…俺をガードにして下さい!」
あなたのいない世界になど、何の興味もない。俺の生きるこの世界はあなたがくれたものだから。
「お願いします…あなたの傍に置いてください…」
膝まずき繰り返し願うアーロンの前にブラスカは腰を曲げ手を差し出した。
「そんなに言われたら連れて行くしかないね。君が一緒なら心強いよ。よろしく、アーロン」
アーロンは差し延べられた手を恐る恐る、けれどしっかりと強く握り立ち上がる。
それがあなたの願いなら、もう止めはしない。けれどあなたを死なせもしない。俺がこの手であなたを守る。
晴れ晴れしいまでのブラスカの表情に、アーロンは押し潰されそうな胸にそう誓った。


「困ったものだね、君がいないとぐっすり眠れないなんて」
それも多分、昨日までの話だけど。
いつものように布団の中で向かい合ったアーロンは、続いた言葉の意味を計りかねるように眉をひそめた。
召喚士になることは少し前から考えていたことだった。今日ハッキリと心を決めてから気分が高揚しているのは負の感情を向ける矛先が定まったからなのか。
今の自分は躁状態に近いのかもしれない。壊れてしまったものはそう簡単に元には戻らないものだ。
「アーロン、私のことが好きかい?」
唐突な問い掛けにアーロンは口ごもる。「好き」の種類は沢山ある。長い間共に暮らしたブラスカをアーロンが好きだと答えても、どこにもおかしいところはない。口ごもるということは、口にしがたい種類の「好き」を抱えているからだということをブラスカは知っている。
「キスしてくれないか」
アーロンの目が大きく見開いた。驚き。戸惑い。そしてすぐに押し殺された僅かな期待の色をブラスカは見逃しはしない。
「ブラスカ様…それは…」
悪いけど、出来ませんなんて言わせないよ。次の言葉が発せられる前に素早く唇を奪った。呆然とするアーロンの頬を撫で、目を見つめたまま相手に確認させるように触れるだけのキスを繰り返す。
ほら、もう何度もしてしまったよ、アーロン。君は悪いだなんて思う必要はない。唇が触れると気持ちいいだろう?君も本当はこうしたかったんだろう?だから、アーロン。
「私に抱かれてくれないか」
アーロンの表情と身体が強張り頬がうっすらと朱に染まる。どうしていいのかわからない様子でうろたえた眼差しは、もはや欲しているのを隠しきれていなかった。
抱きたい。それを見て強く思った。欲と一緒に奥底でとぐろを巻く負の塊も全て吐き出してしまいたい。心の内から自分でも気付きえなかった獰猛な感情が沸き上がる。思い切り鳴かせてあなたが欲しいと縋り付かせたい。体温なんかよりももっと激しく繋がって、私の存在を感じさせてくれ。本能だけで交わる獣のように快楽に溺れたい。
「おいで、アーロン」
来ないのなら、私からいくよ。嫌なら抵抗していい。君の力ならいくらでも私から逃れられるだろう?
身動きの出来なくなった相手に乗り上げて上着を脱ぎ捨てる。ごくりとアーロンの喉が鳴る。
「ブラスカ様…俺のことなど、好きではないんでしょう?」
好きでもないくせにと責めるわけでもなく、いまだ自分の想いを悪として苦しげに見上げてくる視線に微かに胸が痛んだ。ああ、私にもまだまともな感情が少しは残っているらしい。
「好きだよ、アーロン」
覆いかぶさりゆっくりと唇を塞ぐと、アーロンの腕が怖ず怖ずと背中に回された。
私の「好き」がアーロンのそれと違うことくらい、彼にはわかっているだろう。けれど絡み合う舌に溺れ始める彼はきっと、私の求めるものを全て差し出そうとするに違いない。
ねえ、アーロン。君が好きになった男はろくでもないね。こんなに真っ直ぐに育った君を自分の欲に巻き込むような男だ。必死で押し止めようとしていた君の気持ちを逆手に取って組み敷くような汚い男だ。
「私が欲しいと言ってごらん」
「…アぁッ…ブラスカ様……欲し…っ」
目の前のアーロンだけを感じ、自分だけを求められる行為は、酷くブラスカを安らがせた。対になる体が世界から希薄になったブラスカの生命を浮き彫りにしてくれる。その間だけでも、快楽の波はアーロン以外の全てを忘れさせてくれる。

いいように貪り尽くされたアーロンは疲れきって眠りに落ちた。泊まりに来るようになってブラスカより先に寝るのは今日が初めてのこと。こうして見ていると、逞しく成長したアーロンの寝顔にはまだ子供時代の面影が残っていた。昔はよくこうして寝顔を見ていたな、と思い出す。
この子はどんな風に成長していくんだろう。どんなお嫁さんを貰うんだろう。なんであれ、幸せになってもらいたい。君を幸せにしてやりたい。心からそう願っていた。
アーロンの気持ちに気付いてからもその気持ちは変わらなかった。育てられた恩が逆に彼を自分に縛り付けることを不憫に思い、何とかその呪縛から逃がしてやりたいと思っていた。
なのにごめんよ、アーロン。
私は君を逃がしてやれそうにない。君はもう、私のものだ。


☆☆☆☆☆☆


3つ目で激しくとっちらかりましたorz
お題から掛け離れてっちゃって戻れなくなったし。好きなんだから向かって来ていいよ状態なブラスカに、やっぱり来ないアーロン。じゃ、こっちから行くよ?…て感じになるはずだったのでした。

そしてそしてブラスカがアーロンに手を出すくだりが掘り下げられてないですね…。
ちょっと壊れ気味になってやってその間だけでもいろんなこと忘れてスッキリしたい(身も蓋も無い言い方だな…w)ていうのもあるだろうし。
召喚士になる理由が私怨なんで、相打ち覚悟で自分の命なんかもうどうでも良くなってる。
もうそれ以外のことがどうでもよくて、生きてる実感も湧かないけどシン討伐までは生きてかなきゃいけなくて。対になる相手がいてくれることで自分が生きてるって感じたいと思う気持ちもあるかなと。
エッチの話だけじゃなく、アーロンに自分という存在を求めさせておきたいのは、傍に誰かいてほしいと思う気持ちはやっぱりどこかにあると思って。ユウナはまだ子供だから庇護するだけの関係になるので対象外。

最初のきっかけがどうであれ、いつかブラスカもアーロンをかけがえのない相手だと思うようになってほしいし、ちゃんと愛してあげてほしい。多分それまでのエッチはブラスカ様かなりのSだと思う!

うまくまとまりませんでしたが、書く機会とネタを提供していただいたさこさんに3本セットで捧げます。いや捧げられても困るって話ですけども!
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CATEGORY : memo



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