FC2ブログ

スポンサーサイト

--.--.-- *--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

待ちに待った

2011.07.22 *Fri
「アーロン、ヤらせろよ」
何度口にしたかわからない。
旅行公司で部屋を共にする度にそう言っては相手を怒らせた。
「あんたの頭にはそれしかないのか」
抱きしめようとして、キスをしようとして、突き飛ばされ、時に本気で殴られ。
それでもヘラヘラと笑うオレを睨む、憤怒と軽蔑の入り混じった眼差し。そんな顔も嫌いじゃなかった。

本気で言ってたわけじゃない。
いや、本気ではあったが、どんな反応が返ってくるかぐらいわかってた。無理矢理どうこうしようなんて頭もなければ、そんな風に抱く趣味もない。

けれど気持ちをごまかして、騙すように触れるのは嫌だった。隠し事も駆け引きをするのも面倒。
だからストレートに。
「アーロン、ヤらせろよ」
これ以上はないほどの直球で。全ての欲求を込めて。
言ったって拒まれんのが当然だ。わかってて言ってんだから、怒られようと殴られようと、やっぱりなって笑ってられた。

だから、こうやって黙られちまうと困るんだよ。
いつもなら突き飛ばされてるはずなのに、そのまま抱きしめることに成功した腕が、うろたえる。

「いつもみてえに抵抗しねえのかよ」
「…してほしいのか?」

んなわけねえだろ。んなわけねえのに。待ち望んだはずの体温が腕の中にあるのに。
いざとなったらヤるどころの話じゃねえなんて、ガキかっつーの。
ベッドに押し倒せる状況でそれをしないのは何故だ、と考えて気付いた。そんなにまで惚れちまってる自分に。
ウブなガキみてえにドキドキしちまって、キスしても大丈夫かなんて迷ってる。我ながら笑える。

とりあえず。
ギュッと抱きしめてみる。頬を寄せてみる。腕の中の相手はされるがまま。
唇が触れ合う直前まで顔を近付けてみれば、拒みもせず待ち受ける唇が微かに震えているのがわかった。
そのままそっと口づける。ぴくりと相手の体が跳ねる。躊躇いがちに、けれどしっかりと背中に回された手から伝わる熱が胸を熱くする。
ああ、オレはこんな日をずっと待っていたんだ、と思う。
ヤるとかヤらないとか、そんなことがどうでもよくなるぐらいに。

受け入れてほしかった。
「ヤらせろよ」なんて言っておいて今更そんな単純な気持ちに気付くだなんて、オレも大概どうかしてる。
なあアーロン。オレに抱かれたいか?もしおめえがその覚悟を決めてくれたんだとしたら、悪いが今夜はヤれそうにない。
もうすぐオレはおめえを押し倒すだろうが、ただそれだけだ。抱き合ったまま眠りたい。触れられたまま眠りたい。

待ちに待ったはずなのにおかしな話だって、オレもそう思う。
口ばっかりだと思われるのもシャクだけど。代わりに今夜キチッと伝える。
このオレが手出し出来なくなるぐらい、アーロン、おめえが好きだと。


………………………………………

とっちらかった!
スポンサーサイト
CATEGORY : 365日のお題



Copyright © JSNO3(仮) All Rights Reserved.
テンプレート配布者:サリイ (素材:ふるるか) ・・・ 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。