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初詣

2008.01.02 *Wed
「あーあ、なんでオヤジと二人で初詣来なきゃいけないかなあ。誰か誘う人いなかったわけ?」
人で溢れる境内の中、ぐるぐるとマフラーを巻いたティーダが口を尖らせる。
「…うるせえな。おめえだってユウナちゃんに振られたんだろーが」
まさか「アーロンに振られた」とは言えずに言い返すとティーダは更に膨れっ面になる。
「オレはユウナ振られたんじゃなくてユウナのオヤジさんに邪魔されたの!大体オヤジいつも『神頼みなんてオレの性に合わねえ』…とか言ってなかったっけ?」
「それは…アレだ。…そう!宝くじ!宝くじ買ってっからよ、ありゃ実力じゃどうしょもねえだろ」
ホントの所は「先約がある」と断られたアーロンにバッタリ会えるんじゃないかと僅かな期待に賭けたのだが。
「なんにしろ早く子離れしてもらわなきゃ困るっつーの」
ティーダはブツブツと横で文句を言い続けていたが、一人で来る侘しさを考えればいないよりはマシだと我慢することにした。
さすがに年明け2日、うんざりするほどに混んでいる。お参りするにも長蛇の列だ。
こんな人混みの中でアーロンに出会う可能性は奇跡に近いのかもしれないと気が滅入る。
「オヤジ、小銭ちょうだい」
賽銭箱が近付いた頃にティーダが片手を出してきた。
「自分の金は」
「財布持ってきてないもん」
「人の金で願い事しようってのか?」
「保護者の金ならいいんじゃない?それに神様だってそんな細かい事気にしてないと思うけど」
全く呆れたヤツだ。
ポケットに手を突っ込んで小銭を取り出すと、500円玉2枚と5円玉が一枚あった。
それを見たティーダはひょいっと500円玉を取り上げる。
「おい!5円でいーだろ、5円で!」
「5円はオヤジが使った方がいいだろ、ご縁があるようにってさ。500円あれば沢山願い事聞いてくれるだろうから、オレも『今年こそオヤジにいいお嫁さん来ますように』って祈っといてやるって」
「余計なお世話だ。いーか、余計な事願うんじゃねえぞ!」
嫁さんじゃなくてオレが欲しいのはアーロンなんだよ!!…とティーダにはまだ言えない。
自分達の番が来て、ティーダはポイッと500円玉を賽銭箱に投げ入れる。人の金だから潔いものだ。
オレはというと、ガキに負けてなるものかとやはり500円玉を投げ入れた。
500円も注ぎ込んだのだから、一つや二つの願い事では勿体ない。
オレは手を合わせて祈った。
今日アーロンと会わせろ。
アーロンがオレを好きにならせろ。
あわよくばメロメロに。
でもって、一緒に住んで、ゴールイン!てなことになって、もうオレなしじゃ生きられねえ、みたいな。
ラブラブ?かぁー、照れるなおい!
んで…
「オヤジ!いつまで願い事してんだよ!!後ろ並んでんだから早く退けって!」
ティーダに腕を引かれてオレは願い事が終わってないのに仕方なく脇へと移動した。
「まだ途中だったのによ」
舌打ちするオレを呆れ顔で一瞥したティーダは人混みの一点を見て「あっ」と小さく声を上げた。
ティーダの視線を追ったオレも同じように声を上げる。
あれは、アーロン…!!
背の高いアーロンは人混みの中でも頭一つ飛び抜けていてよく目立つ。
これは奇跡か。や、500円の神頼みが早速叶ったのかもしれない。
となると、もうゴールインも目と鼻の先じゃ。
そんな風に浮かれていたオレは気付いていなかった。
ティーダが「ユウナ!」と声を上げるまでは。
そう、アーロンの横にいたのはブラスカ親子だった。
アーロンの言う先約というのはブラスカのことだったのだ。
オレ達に気付いたブラスカはユウナちゃんとアーロンに挟まれてニッコリと笑いやがった。
オレはこの日、オレ達親子共通の敵がブラスカだと初めて認識したのだった。

………………………………………

「ブラスカさん、ユウナのとこ遊びに行くと、笑顔なんだけど目が笑ってないんだよなー…」
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