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満員電車

2007.12.03 *Mon
オレ達は、駅のホームにいた。
「なんだよこの混み方」
ホームには溢れんばかりの人、人、人。
もうすぐ終電も近いというのにまだ階段からホームへと人が沸いてくる。
「忘年会シーズンだから仕方ないだろう」
そう言うアーロンも嫌気がさしているようで深く溜め息を吐いた。
「電車混んでっかな」
「当然、混んでいるだろうな」
「オレ満員電車キライなんだよ」
「好きな奴などいないさ」
そんな会話を交わしてるうちに電車がホームへと滑り込んできた。
窓ガラスが熱気で曇る程の鮨詰め状態。
大きな駅だからか、扉が開いて結構な人数が電車からホームへと吐き出される。
が、それ以上の人数が乗車しようとしているのだから大変だ。
前の方に並んでいたオレらは後ろの行列に圧されて自分の意思とは関係なくギュウギュウと電車の中の方へ中の方へと押し込まれていく。
アーロンもオレも、体のデカさと力は人並み以上だが、とてもじゃないが踏ん張ることなど出来ない。離れないようにしているのが精一杯だ。
ようやく扉が閉まった頃には身動きひとつ出来ない状態で。
向かい合ったアーロンとも体が密着して顔をちゃんと見ることがままならない。何しろ近すぎて顔が交差してしまうのだ。
曇った窓ガラスの向こうには乗り切れなかった人々がまだ山のように残っていた。
電車の発進と共に大きく車両が揺れて、ギュウギュウ詰めの車内のどこにそんな隙間があったんだという位に人がドッと一方向に押し寄せる。
その波に圧されまいと手を伸ばして鉄パイプを掴んだが、アーロンは掴まる間もなかったようで、後ろからまともに圧されてオレの方へと更に押し付けられてしまっている。
「…すまない」
「この混み方じゃしょうがねえよ」
空いてる片方の手を腰に回すとアーロンは一瞬ハッとした。
「危ねえから掴まってろ」
どうせこれだけ混んでいれば抱き寄せてようが不自然ではない。元々密着しているわけだし。
普段なら有り得ない抱擁も、こんな時なら堂々と出来るわけだ。抱擁というにはいささかきついかもしれないが。
アーロンの耳元に小声で囁く。
「満員電車、結構イイかも」
「…バカか」
呆れ声のアーロンの表情は見えないが、その顔に赤みが差している所は容易に想像することが出来た。

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満員電車はダイキライ~
うっかりマフラーで首絞まりそうになるよね
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