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不眠症

2007.11.02 *Fri
「今日も眠そうだね。また眠れなかったのかい?」
「…ああ。なんだかな」
欠伸を噛み殺して答える様子をアーロンが横目で見ていてドキリとする。
「野営ならともかく、宿に泊まっているのに眠れないのは困ったね。倒れないでくれよ?」
心配してくれているブラスカの声がどこか遠くに聞こえる。
オレはこっちを見ているアーロンから目が離せないでいる。


毎夜、淫らな夢を見る。
夢を見ているということは寝ているんだろうが、眠れている気がしない。
うとうとしていたと思うとその夢が始まっている。
下から見上げるアーロンの目にオレは金縛りにでもあったかのように動けなくなる。
オレの上に乗り上げた黒髪が、揺れ動く。
突き上がってくる衝動に飲まれて思わず唸るように声を上げてしまう。
頭が真っ白になり解き放たれた後、体は酷く怠いのに目は冴えてしまう。
茫然とした意識をやっとのことで振り払い気付くと、アーロンは隣のベッドで乱れもせずに寝息を立てていて、オレは夢を見ていたのだと知る。
体に纏わり付いた粘っこい汗が冷えていくのを感じながら、眠ることも出来ずに朝を迎えるのだ。


「酷い顔してるな」
横に並んだアーロンが前を向いたまま小声で言った。
なぜあんな夢を繰り返し見てしまうのか。自分でも気付かぬうちにそんな欲望を抱えているのか。
その凜とした横顔に夢の中の面影を重ねてみても、やはり現実的に有り得ないことなのだと思う。
そう思えど、まるでパブロフの犬のように体の奥で沸々と燃え上がるものを感じて、戸惑う。
「安心しろ、」
そう区切ってこちらを見たアーロンの表情に息を呑む。
「今夜は疲れ果てて眠らずにはいられなくなるまで相手になる」
口元を歪めるその表情は夢の中のアーロンそのものだった。
驚きの余り動きを止めたオレを不思議に思ったらしいブラスカが「どうした?」と声を掛けてくる。
そのまま歩み進んでいたアーロンも立ち止まり振り返る。
「何してるんだ?ぼーっとするな」
その表情はすっかりいつものアーロンに戻っていて、オレは混乱した。
白昼夢なのか?あまりの睡眠不足にそんなものまで見てしまうようになったのかもしれない。
今夜こそはちゃんと眠りにつきたい、と心底思った。
と同時に、今夜の夢に若干の期待をしている自分がいることに気付いて、オレは思わずアーロンを盗み見ていた。

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夢か幻か現実か
今夜それが明らかに!みたいな
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