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夏祭り

2007.07.25 *Wed
縦横無尽に吊るされた無数の提灯が緩い明かりを点している。
「せっかくのお祭りなのになんでオヤジと二人なんだよ」
そうぼやきながらも並ぶ屋台にきょろきょろと視線を走らせる顔は綻んでいて、親子だなと思う。
アーロンは人込みが嫌だと留守番をしている。ブラスカも出掛けていていなかった。
「祭り行こうぜ!」とはしゃいだ自分に手を挙げたのは息子一人だったというわけだ。
「迷子になるなよ」
「いくつだと思ってんだよ」
「じゃあ、はぐれるな」
「はぐれないっての、あんたでかいから目立つし」
随分昔の祭りの日、ティーダが迷子になったことを思い出す。
いくら人より背が高く、人の波から顔が出ているからといって、捜す対象であるティーダはまだ小さくて人に埋もれてしまい、見つけることは困難だった。
やっと再会した時は大泣きしていて泣き止まず大変だった。
肩車をしてやるとようやく泣き止んで、誰よりも高い視線に大はしゃぎした。
そんなこと、覚えてねえんだろうな。
「なんだよニヤニヤして。気持ちワルイな」
怪訝な顔をされたが、きっと話せば不機嫌になるだろう。
「別に」
気を利かせてやったつもりなのに、ティーダは「ふーん」と少しむくれたように見えた。
並ぶ屋台を冷やかしながら歩いていくと開けた場所に出た。
やぐらが組まれ、その前に陣太鼓がいくつか並んでいる。
ちょうどこれから始まるところだったようで、脇の方から半纏を纏った男達が数人バチを手に現れた。
既に集まっていた観客の合間を縫って、ティーダでも見える位置に移動した。
「あれ気持ち良さそうだしやってみてえんだよな。オレ似合うと思わねえ?」
「オヤジには無理だよ」
「何でだよ」
素直に問い返すと、今日1番楽しそうな表情で笑う。
「リズム感ないから」
確かに。すっかり忘れていたが、反論する気が全く起きないほどにオレは音感がなかった。
中心の男がすうっとバチを高く掲げ、それを合図に演舞が始まる。
腹の底に響く太鼓のドドンという音は体の奥を揺さぶられるようで高揚感を感じる。
自然と観客の間でも熱気が高まっていくのがわかった。
隣で見ているティーダも拳を握り夢中になっているようだった。
「来年も来ような」
「…え!?何!?何か言った!?」
太鼓の音に掻き消されないよう声を張り上げ聞き返してくる表情は、幼い頃のままに見えた。
「何でもねえよ」
言いながらぐいっと肩を引き寄せると一瞬嫌な顔をしたが、何も言わずまた前を向いた。
そのまま演奏を聴きながらふと思う。
もしかしたら、アーロンは気を利かせてくれたのかもしれない。
そう思い当たって、顔が緩んだ。

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ジェクトは祭男だと思う
アーロンは出不精だと思う(爆)
ジェクトは太鼓似合いそうだけどなー
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