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This Archive : 2010年01月

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酔い醒まし

2010.01.27 *Wed
吐く息が白い。
油断をすると歯がカチカチと音を立てそうだ。
「…あーっ、サミィッ!」
肩をすぼめマフラーに顔を半分埋めてポケットに手を突っ込んだジェクトはリズムを取るように小刻みに体を揺すりながら歩いている。
「寒い寒い言うな。だいたい酔い醒ましに歩いて帰ろうと言ったのはあんただろう」
何度目かわからない同じ台詞にウンザリして言う自分も勿論寒い事に変わりはない。
だから車を拾おうと言ったのだ。
それを「今乗ったら吐く!」と押し切ったのはジェクトの方だ。
歩き始めてしばらくするとすっかり酔いは醒めたものの、あまりの寒さにずっと寒い寒いと喚いてるのもジェクトの方で。
「ほら、家が見えたぞ。もう少しだから我慢しろ」
自分にとってみれば、煩いのもジェクトを家まで送り届けるまでの我慢なのだが。

家まであと数メートル、という所でジェクトが立ち止まった。
「…どうした?まさか、気持ち悪いのか?」
慌てて近寄り顔を覗き込むと突如抱きすくめられ、げんなりする。
「なんだ、まだ酔いが醒めてないのか?」
「…醒めねえよ」
「まったく…俺が綺麗なお姉ちゃん、にでも見えるか?」
飽きれた口調で問い掛ける言葉に返ってきたのは意外にも真っ直ぐな視線で、逆にたじろいでしまう。
「酔いが醒めても、やっぱり気持ちは醒めねえ」
「…何?」
「抱きたい」
「は?」
「うち来いよ。あったまろうぜ」
頭にハテナマークが浮かび呆然とする自分とは逆に満面の笑みを浮かべるジェクトに手を引かれるまま数歩。
「ちょ、ちょっと待て!…あんたまだ酔っ払ってるだろ、俺が誰に見える?」
「アーロン」
なるべく動揺を抑えて穏やかに聞いてみたもののあっさり答えられてガックリする。
「…とりあえず、手を離してくれないか」
「やだね。離したら帰るだろ?」
「当たり前だ」
「そんなにオレに抱かれたくない?好きなんだぜ」
「いや、だから…」
言葉を失うとはこういうことなのか。
真夜中に大の男に腕を捕まれたまま、酔いが醒めなかった方がまだマシだったとうなだれた。


………………………………………

実はアーロンも密かに好きだったんだね。
でも急展開に勇気が出ない揺れる乙女心なんだね。
いっそ酔っ払った勢いで誘われてしまえばよかった!的なね。


…ていう話ではない気がする。
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