This Archive : 2008年01月

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吹雪

2008.01.14 *Mon
見渡す限りの白、白、白。
ザナルカンドではお目にかかったことのないそれは雪というものらしかった。
霊峰ガガゼド。
踏み込んだ時には見たことのない雪が面白くて、丸めてみたり投げたりなんかして、二人に「まるで子供だな」と笑われたり呆れられたりしていたが。

「サミィ…」
いざ出発、となった時には完全に体が冷え切っていた。
「そんな格好じゃ当たり前だ。『寒い』で済む事自体がおかしい」
いつの間にか上着にきちんと袖を通したアーロンが眉間にシワを寄せる。
「これしか服ねえんだからしょうがねえだろ。…アーロンちゃん、あっためて」
可愛く言ってみたが無視される。
「仕方がない、山に登る前にジェクトが着れるような装備が売っているか聞いてみよう」
肩を竦めて見せたブラスカが登山口の方へと歩き出す。
商人らしき人物もロンゾ族だった。
ロンゾ族はここに来る前にも見たことがある。
奴らは皆ガタイがいい。そういう種族なのだろうが、ブリッツで鍛えたオレの身体と比べても、悔しいがあまり遜色がないように見える。
しかしこんな寒い場所で育ってよく水中競技なんてやる気になるもんだ、とおかしな具合に感心してしまう。
寒さに震えつつも、スポーツ選手としての自分が顔を出し、少し離れた場所でブラスカと商談しているロンゾの商人を観察していた。
すると、ふとオレに視線を向けたアーロンが突然、顔を強張らせて視界を遮った。
「ジェクト!ダメだ、早まるなよ…いくら寒いからといっておかしな事は考えるな!」
「ハァ?」
「とぼけるな。今あの商人の毛を見ていたんだろう?…こんな所で問題を起こされたら…」
「ちょっと待て。おめえ何言ってんだ?」
「…仕方ない、どうしても我慢出来なくなったら、その……暖めてやる!それならいいだろう!」
話の筋が全く読めないが、アーロンがあっためてくれるっていうなら異存はない。むしろビッグチャンス。
「やっぱり服のようなものはないね」
ブラスカが首を振りながら戻ってくる。
「アーロンちゃんがあっためてくれるってよ」
ニンマリと笑ってみせればブラスカは「おやおや」とアーロンに好奇の視線を向ける。
「いや、それは…仕方ないんですブラスカ様…そうでもしないとジェクトが」
「ジェクトが?」
「ロンゾの毛を…」
「「毛??」」
…アーロン、おめえはどんだけオレを野蛮人だと思ってやがんだ。
途中で吹雪にでも逢ったら絶対に直肌であっためさせてやる、とオレは心に誓った。

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言う程毛深くない。
言う程ふぶいてない。>お題
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