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This Archive : 2007年07月

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間接キス?

2007.07.31 *Tue
容器に口をつけて一口水を飲む。
「おめえも飲んだ方がいいんじゃねえの?」
それを突き出すと、アーロンはしばらく何事か考えた後に「いや、俺はいい」と首を振った。
「なんだ、間接キスになっちまうから照れてんのか?」
いつもしかめ面を崩さない若造をからかってやろうとしたのだが、余計にその顔が怪訝そうに歪む。
「間接キス?なんだそれは」
どうやらスピラには『間接キス』という概念がないらしい。
冗談で口にした言葉を説明してやる羽目になった。
「そんなことを気にするなんて、あんたのいた所はよっぽど平和なんだな」
その言葉に嘲るようなニュアンスが含まれていてカチンとくる。
旅を始めてまだ大した日数が経ったわけではないが、確かにそんな事を言っている余裕がある旅ではなさそうだった。
立ち寄った村や街も自分の生まれ育ったザナルカンドとは全く違う形で成り立っている。

だけどよ。
オレだって、好きでこんなとこに来たわけじゃねえ。

せっかく一緒に旅することになったのだから楽しい方がいいと思う。
自分なりに歩み寄ろうとさっきのように冗談をかましてみているが、アーロンは全くそれをわかろうとはしてくれない。
むしろ、何かと突っかかってきては人を邪魔者扱いするのだ。
悪いヤツではないのだと思う。
自分の認めたものに対して…まあ、ブラスカとか?…には、まっすぐで、暑苦しくて、今時珍しいタイプの男だ。

慣れない環境に少しばかり余裕がなくなってたのかもしれない。
クサクサしてたのは認める。
ちょっとばかり意地悪な気持ちが頭を覗かせた。
「オレだって、間接キスぐれえで喜んだりしねえよ。誰だって直接のがいいに決まってんだろ」
言うが早いか、アーロンの腕を引っ張って素早く唇を奪った。
アーロンが目を見張る。
殴られるかと思った。
いや、結果殴られたのだが。
殴りかかってきたらそれを交わして殴り返してやるつもりだった。
慣れない武器の勝負では勝てるわけがなくても、素手なら負ける気がしなかった。
ただ、驚いてしまったのだ。
目を見張ったアーロンの顔がみるみる真っ赤になったことに。
ぽかんとそれに見入ってしまって、もろに顔面にグーを食らった。
「ふざけるなっ!」
聞き慣れたその言葉も、真っ赤な顔で発せられると違う響きを持って耳に響いて。

カワイイじゃねえか。

そんな風に思ってしまうなんて、誤算だった。

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ジェクト日記のつもりが、時間軸も世界もコロコロ変わる。
アーロンが乙女になってしまうのもたまにはしょうがない。
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